かつて日本には、熱き「志」と「気概」を胸に秘め、敢然と国外へ飛び出し、世界的な大企業に成長させた優れた経営者たちがいた。 ビジネス・ブレークスルー大学院大学学長 大前 研一/小川 剛=構成 加藤雅昭=撮影 文科省の指導要領が 駄目ビジネスマンを拡大再生産する! しかし戦後第一世代の染色体が完全に途絶えてしまったのかといえば、そうではないと思っている。文科省の指導要領の下で中学、高校、大学を出て就職するパターンでは超三流の人材しか輩出されてこない。だが、文科省が敷いたレールから外れる分野には人材がゴロゴロいる。 たとえばスポーツの世界。メジャーリーガーのイチローや、若手ではゴルフの石川遼やテニスの錦織圭、アイススケートの浅田真央らがそうだ。彼らは文科省の指導要領のない世界に自ら飛び込み、個人的なコーチの指導を受けて世界と対等に戦える一流のアスリートになった。 音楽の世界にも文科省の傘下