昨今のIT業界の大きな流れとして、「クラウドコンピューティング化」が挙げられるが、本来最も重要な「企業にとっての意味合い」が肝心の企業の皆さんに伝わっていないようにも思える。 急速な普及と、関連各社が様々なマーケティングメッセージを発していることにより、どうしてもそうならざるを得ないが、ここで一度原点に返って解説を試みたい。 蛇口から出てくる水のようにシステムを使う 元々、クラウドサービス業者の先駆けである米Salesforce.comのCEOは、かつて自社のサービス形態について、「蛇口をひねると水が出てくるようにソフトウエアの機能を提供したい」と、声高に訴えていた。つまり、ソフトウエアのユーティリティー(電気・ガス・水道のような公共サービス)化である。 同社のメッセージは時間とともに進化しているが、クラウドサービスを考える際は、この「ユーティリティー化」を軸に、水や電気に置き換えてみると