「ねえ、私の事、私のことをもう捨てるっていうの!?」とある夏の日、サーバルームで悲痛な声がサーバに当たってファン音に吸い込まれて行く。「私を、私を捨てるなんて酷い!10年以上も連れ添ったというのに、私を捨てるなんて!」彼女はLANケーブルを収めた蓋の上にしゃがみ込み動かなくなり、塩分を多めに含んだ液体を目から流しつつ僕をきいと睨んだ。「あんな!サーバ失格OSのMacなんかに貴方を取られるなんて!私!許さないから!」 その日、僕は上から長年連れ添った髪の青い奴 - Windows Serverとの別れを命じられた。「うちにも、そろそろゆにっくす?まっく?とかいうのを導入しようじゃないか。ほら、どちらの性別にも受けるらしいし、そうゆうのってコレからの世の中に必要だと思わないかい?」「部長、それはユニックスじゃなくてユニセックスです。とりあえず、次の入れ替えがMacに決定したことは把握しました。