ソニー退職後に立ち上げた「盛田正明テニスファンド」 約2年前に、自らもジュニア育成プロジェクトを立ち上げ、今年2月にその一期生を送り出したばかりの伊達は、育成の難しさに直面し、悩み、迷いもしたのだろう。盛田氏に質問を投げかけ、その返答を一言も聞き漏らすまいとばかりに身を乗り出す姿には、日本テニスの未来への切なる願いが溢れていた。 日本のテニス界を盛り上げたい、世界で戦える選手が出てきて欲しいという切望は、伊達と盛田氏を結ぶ最大の共通項だ。 学生時代はバレーボールに青春を捧げた盛田氏の、テニスとの出会いはソニーに入社後のこと。始まりは単に、気分転換を兼ねたリクリエーションだった。 たが、やがて海外出張が増えていくと、欧州を発祥としアメリカで栄えたこの球技が、欧米では格好のコミュニケーションツールにもなると気づく。何よりコートに立ってボールを打てば、仕事の疲れも異国で過ごすストレスも、汗ととも