「私の逮捕は日本社会の恥だ」。“産業スパイ”として起訴された男は法廷で、中国語で堂々とこう言った。 【画像】公安部が作成したスパイによる情報流出防止のためのドラマ 約2300人の研究者を抱える、日本最大級の研究機関「国立研究開発法人・産業技術総合研究所(略称:産総研)」で主任研究員だった中国籍の権恒道被告(60)が、研究内容である先端技術の情報を中国に流出させた罪で起訴された。 年間600億円以上の国費が投入されている国立の研究機関が舞台となったこの事件は、日本社会に大きな衝撃をもたらした。 日本の予算で研究し中国で特許取得権被告が産総研に加わったのは、今から20年以上も前の2002年のこと。当初から、環境に負荷がかかりにくいとされるフッ素の研究・開発に携わっていたという。 今回の事件で中国企業に漏えいされたとされている“先端技術”とは、地球温暖化の原因になりにくいフッ素化合物の生成方法だ