マザーグースの詩を唱えるようにテレビの前で震えながら、真実を知りたくてもがき涙したことをよく覚えています。 時は流れ、ようやく今。「悪かったのは自分かもしれない」と言いながら鈴木おさむさんが本書を手渡してくれたように思いました。 『もう明日が待っている』は、20年以上SMAPに伴走してきた放送作家である鈴木さんが、彼らの魅力の開花から終幕まで、表からは見えなかった風景をつまびらかにしてくれた“小説”です。 “小説”と銘打ってはあるけれど、綴られた物語はすべて本当のことだろうと、私は受け止めました。 「19歳の自分には、もはやアイドルという存在が滑稽にすら見えた」 鈴木さんが初めて“彼ら”を知ったのは1991年。 バンドブームの最中にアイドルとしてデビューした彼らを見て、「19歳の自分には、もはやアイドルという存在が滑稽にすら見えた」「自分と同じ年で「アイドル」をやっていることを、可哀そうと