驚異的な物価上昇が続くジンバブエの中央銀行は2日、通貨ジンバブエ(Z)ドルを1兆分の1に切り下げるデノミネーションを即日実施すると発表した。ゼロを12個取り除き、新たに1Zドルから500Zドルまでの7種類の新紙幣を導入する。 現在の最高額紙幣は10兆Zドル。1月に導入が発表された100兆Zドル紙幣はお蔵入りとなった。ジンバブエ政府は今年1月29日に、米ドルなどの外国通貨による経済取引を全面的に国民に認めた。今回の切り下げは、外貨取引解禁でZドルの価値がますます下がることを見越した措置とみられる。市民が使う闇両替レートは1日現在で、1米ドルが4兆Zドルだったという。 ジンバブエの物価上昇率は08年7月に年率2億3100万%を記録して以来、発表されていない。政府は昨年8月にもゼロを10個除く同様の措置を取った。(古谷祐伸)