厚生労働省の研究班(班長=広田良夫・大阪市立大学教授)は、インフルエンザ治療薬タミフルを服用した10代の患者が、飛び降りなどの異常行動をとる割合は、服用しない場合よりも1.5倍高いとする最終報告書をまとめた。 原則中止されている10代患者への投与再開の有無が注目されているが、厚労省は「この研究結果だけですぐに方針が変わるものではない」としており、今後、別の研究班報告とあわせて5月以降に開く同省薬事・食品衛生審議会安全対策調査会で検討する。 分析対象は06〜07年にインフルエンザと診断された18歳未満の患者約1万人。急に走り出すなどして死亡やけがに結びついた深刻な異常行動は、タミフルを服薬した場合、服薬しない場合より1.25倍発生率が高くなった。特に10代では1.54倍高かった。一方、うわごとなど軽いものも含めた異常行動全体では、服用した場合の発生リスクは、服用しなかった場合の0.62倍