蔦谷 匠 1,2,3 、 土肥 直美 4 、 片桐 千亜紀 5 、 澤藤 りかい 1,2 、 米田 穣 6 1 総合研究大学院大学、 2 コペンハーゲン大学、 3 海洋研究開発機構、 4 琉球大学、 5 沖縄県埋蔵文化財センター、 6 東京大学 【研究概要】 食物の生産が工業化され流通網が発達することで、現代人の食は均質化 (集団間や集団内でどの人も同じような食物を摂取するようになる) しました。しかし、記録の残っていない過去の社会で食がどの程度均質化していたかは不明です。江戸時代は、農業などの食物生産が効率化して全国的な流通網が発達し、和食文化の基礎が形作られた時代です。本研究では、こうした江戸時代の人びとの食がどの程度均質化していたのかを、縄文時代や現代のデータセットと比較しました。比較に用いたのは食物摂取の指標となる安定同位体の値であり、これまでに報告された数百以上の個体についてのデ