私の家はごみ屋敷だった。有名大学に勤めるエリートの父親で、家は閑静な住宅街にあり、娘は私立の中高に通っていると言えば、一見いい家のように見える。 しかし、実際のところは家の中では、母親は家事や育児を放棄し朝から晩までテレビの前に寝っ転がって菓子を食いながらテレビを観たり寝たりしており、父親は書斎に引きこもって家族のことなど気にもかけず、兄弟も自室に引きこもって布団をかぶって寝ており、掃除機を何週間もかけられていない家の中はほこりにまみれ、風呂場は黒かびだらけで浴槽には垢がこびりつき、洗面所は汚れた洗濯物の山になり、リビングにもたたまれていない洗濯物が積まれており、台所はコンロもグリルも換気扇も油でどろどろに汚れ、流しには汚れた食器が溜め込まれて汚水が貯まり、冷蔵庫の中はかびの生えた食品や何本も開封されている同じ調味料、トレイからこぼれだした肉片や腐って液体と化した野菜などであふれ返っていた