ロバート・キャパらが1947年に創設し、多くの歴史的な報道写真を生んできた写真家集団マグナム・フォト。創設65周年を記念して、「コンタクトシート」をまとめた写真集や写真展が相次いでお目見えしている。選び抜いた1点ものの写真ではなく、コンタクトシートを公開するのは珍しい。 写真特集はこちらから 「コンタクトシート」は「ベタ焼き」とも呼ばれ、主に35ミリのフィルムをダイレクトプリントしたもの。写真家の記録として、前後のコマから最終的に引き延ばす1点を選ぶ編集のツールとして、そしてフィルムを保管するための索引として使用されてきた。写真家が「この1枚」に至る前後にどのような光景を切り撮ったのか、フィルム記されたグリースペンシル(ダーマトグラフ)の痕跡から、一連の写真の中でなぜこの1枚を選び取ったのか、なぜ他の写真は選ばれなかったのか、「報道現場の舞台裏」が垣間見られる。 ■歴史の集積、写真集と写真