戦後に横行していた密造酒の禁止を呼び掛けるポスターや、酒税に関係する昭和20年代の資料など25点が、県卸酒販組合(静岡市葵区)の旧事務所倉庫で見つかった。「租税の戦後史研究に欠かせない貴重な発見」(静岡税務署)とみられ、国税庁の税務大学校税務情報センター(埼玉県和光市)で保管されることになった。 ことし6月ごろ、組合の旧事務所の取り壊しに伴う整理作業中に見つかった。進駐軍に対する酒販売の方法や当時の酒造組合理事長宛てに静岡税務署長が記した実地指導の記録のほか、「密造酒は不潔だ!生命とりだ!」などと密造酒の健康面への危険性や脱税の不法性を訴える標語ポスターもあった。 1921年(大正10年)創業の老舗「平喜」社長で、同組合理事長の戸塚敦雄さん(57)は「子どものころ、先代から密造の取り締まりの話を聞いたことがあるが、ポスターを見たのは初めて。先代か先々代の時代のものだろう」と驚いた様子。