著書であるリタ・マグレイスは、現在コロンビア大学ビジネススクールの教授であり、世界における経営思想家の影響力ランキングでもあるThinker50において、昨年も19位に位置する人物ですが、日本における認知度はあまり高くありません。しかし、不確実性の高い現在の企業の未来を考えるにあたり、C.クリステンセン教授同様に重要な示唆を与えてくれる経営学者の一人であることは間違いありません。 日本でもイノベーションという言葉のみが流行する一方で、こうした先進的な指南書の認知度が上がらないのは、日本のビジネス現場においては未だ実績重視のハウツーが求められており、3冊の著書はどれも抽象的で難解に感じられることに原因があると考えられます。2000年:邦訳『アントレプレナーの戦略思考技術 不確実性をビジネスチャンスに変える』、2005年:邦訳『市場破壊戦略 競争ルールを激変させる40の戦術』、2009年:Di