米IBMが、遮断周波数100GHzという最高速のトランジスタを開発した。2月5日発行のScience誌でその成果を発表している。 このトランジスタはグラフェン(graphene)という素材を用いている。グラフェンは、原子1個分の厚さの炭素原子のシートで、炭素原子が蜂の巣のような六角形格子構造で並んでいる。この構造により独自の電気的、光学的、機械的特性を持ち、電子の移動が非常に高速という。 IBMが開発したグラフェントランジスタは、ゲート長240ナノメートルと比較的大きく、縮小による高速化の余地はかなりあるという。同じゲート長の最新のシリコントランジスタでは、最高で40GHzしか達成できないと同社は述べている。 IBMの研究チームはこれまでに、グラフェントランジスタで26GHzを達成している。