人に合わせる「人間工学電卓」、カシオはレガシーな製品をどう進化させたのか:小寺信良が見た革新製品の舞台裏(24)(1/4 ページ) カシオ計算機が「人間工学電卓」という電卓を新たに開発した。操作面に3度の傾斜を付けており、キーも階段状に配置がなされている。PC用キーボードでは人間工学的視点を取り入れた製品は少なくないが、電卓に適用するのは盲点だった。開発の背景を担当者に伺った。 既に多くの人が使うことがなくなったかもしれない、「電卓」。正式には、「電子式卓上計算機」という。 世界最古の計算機は歯車を使った機械式で、発明者は「パスカルの定理」で知られるブレーズ・パスカルであったとされている。1643年のことである。 イノベーションが起こったのは、1954年だった。歯車を一切持たない純電気式計算機をカシオ計算機が試作、1957年に商品化した。ただサイズが机1つ分あり、卓上というより、卓そのもの
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