(新聞通信調査会が発行する「メディア展望」5月号の筆者記事に補足しました。) 英映画「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」が、3月末から日本で上映された。第2次世界大戦時の英国の宰相チャーチルが主人公の映画で、第90回米アカデミー賞でチャーチルを演じたゲイリー・オールドマンが主演男優賞を、日本人の辻一弘さんが日本人としては初のメイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞した。 米国では昨年11月、英国では今年1月に封切られ、評価は上々となったが、改めて、チャーチルの本国英国ではどう受け止められたのか、また政治家チャーチルは今どのような位置にあるのかについて考察してみたい。 映画に登場するまでのチャーチル チャーチルがどんな人物だったのかは多くの方には周知と思われるが、映画の立ち位置を説明するために、簡単にその人生を振り返ってみる。 チャーチルは1874年、マールバラ公爵の邸宅ブ