先月の長期休暇中、大学時代の友人で唯一未婚だった男性の結婚式に出席した。 ひと回り歳の離れた新郎新婦の披露宴。今までの経緯を思うと実に感慨深く、感動的な式だった。 新郎は知り合ってからずっと浮ついた話とは縁のない人物で、そのことについてよく仲間内でからかわれていた。 30歳になるまでずっと職を転々としていて、その歳を過ぎてから一念発起してとある資格を取り、今はその資格で独立までした。 新婦となる女性も、仕事の関係で知り合った人物だそうで、人生初の彼女と見事ゴールインしたというわけだ。 そして、まだ外見的には目立っていなかったが、彼女の胎内には子が宿っていて、まもなく彼も人の親となる。 式の最中、感動的な雰囲気に飲まれながらも、自分はどこか醒めた目で新郎を眺めていた。 三十路過ぎまで彼女なし。典型的な中年童貞。親不孝者。孤独死、待ったなし。 そんなレッテルでからかわれていた彼も、年内には子育