私は、買い物が好きだ。どのくらい好きかというと、海外旅行に行くとき、最初に覚える言葉が「試着できますか?」だというくらい、好きである。けど、買い物について原稿を書くのは、実はそんなに嬉しくない。 以前、雑誌の企画でカリスマ店員さんの接客を受けて買い物をする、というものがあった。買うか買わないかは自由、ただし買う場合は自腹、というおそろしい企画だった。私はそこで、原稿料の10倍ぐらい、買い物をした。他にも何人かが書くページだったのだが、そんなにやらかしているのは自分だけだった。 わかってくれるだろうか。買い物について書くということは、私にとって、どれだけ赤字なのかに直面するということなのだ。別に高いものを買えと言われているわけではないんだから、普通のものを普通に買えばいい……わかってはいる。が、それができていればこんな状況にあるわけがない。 私は見栄っ張りで、お調子者で、血がたぎりやすい。も