アートやファッション、音楽といった文化は、その時代ごとの政治や社会に呼応するように表出されるのは、いうまでもない事実だろう。ときに保守的に、ときにカウンターとして、あるいは、予言的な作品もあるだろう。気候変動、ジェンダー、格差といった差し迫った問題に対して、日々、リアルタイムで新たな表現が生まれている。一方で、文化を保存する、伝統を継承することは大切なことだが、既存の社会観念を守ろうとする行為は、自分たちが偉くなれた社会背景を維持しようと躍起になっていることにも繋がっていることに気づかない、ダサいおじさんたちには理解できるわけがない。そういった動きは、男女の二元論でしか捉えられなかったり、〈生産性〉でしか測れない、といった概念にもつながるのだろう。 〈生産性で人を測るな/SAY NO HATE 絶対に黙るな〉というポリティカルなリリックと、〈開いたアナルは私のリアル〉という下ネタを並列にラ