2017年12月のある朝、南極から南米へ向かう船内に流れたアナウンスに、誰もがデッキへ急いだ。 乗客は148人、ほとんどが観光客だったが、博物学者やビデオカメラマンもいた。南極大陸への旅から帰る途中で、彼らは極めて珍しい光景を目の当たりにした。非常に珍しい、「タイプD」のシャチの群れである。(参考記事:「希少なシャチ“タイプD”、実は新種?」) このシャチは変わった外見をしており、過去70年間で数えるほどしか目撃例がない。他のシャチとは明らかに異なるため、独自の種として認められる可能性もある。 40頭ほどの群れが、船の周りをジャンプしていた。それは信じられないほど壮観だった。「シャチは遊んでいました。私たちの船を追いかけているようにも見えました」と振り返るのは、今回の南極ツアーにゲストスピーカーとして参加していたグレッグ・トレイニッシュ氏。氏は米国の非営利団体「アドベンチャー・サイエンティ
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