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ブックマーク / natgeo.nikkeibp.co.jp (132)

  • イヌはいつ、どこで、どのようにオオカミから進化したのか

    私たち人間とイヌの関係は何万年も前にさかのぼる。確認されている最古のイヌの化石は、1万4000年以上前のものだと考えられている。写真は、イヌを連れた男性の絵がひつぎ(サルコファガス)に描かれたもの。(Photograph by Richard Barnes) イエイヌ(Canis lupus familiaris)の進化は長い期間にわたって起こった。その間、オオカミとイヌは交雑を続けたため、イヌ科動物の化石やDNAの分析は難しい。氷河期のオオカミとイヌの化石の中には、「初期イヌ(incipient dog)」と呼ばれるものがある。完全なオオカミでもイエイヌでもなく、その中間的な進化の初期段階のものだ。 初期イヌのうち、記録上最古の化石のものの1つは、1860年代にベルギーのゴイエ洞窟で発見された大きな頭蓋骨だ。この化石の年代は約3万6000年前で、現代のオオカミよりは先史時代のイヌに近く、

    イヌはいつ、どこで、どのようにオオカミから進化したのか
  • 最古のオタマジャクシの化石を発見、1億6100万年前、しかも巨大

    カエルの絶滅種Notobatrachus degiustoiのオタマジャクシとおとなの復元図。現在のアルゼンチン、パタゴニア地域の水たまりに暮らしていた。(ILLUSTRATION BY GABRIEL LÍO) これまでで最も古いオタマジャクシの化石が発見された。外見はおなじみのオタマジャクシとそっくりだが、1つだけ違いがある。巨大なのだ。場所はアルゼンチンのサンタクルス州で、研究チームは10月30日付けで学術誌「ネイチャー」に論文を発表した。化石は1億6800万〜1億6100万年前のものだと推定されており、これまでの記録を3000万年ほど上回る。 この発見は、カエルが少なくとも1億6100万年の間、オタマジャクシの段階を経てきたことを示す確かな証拠だ。「多くの専門家が考えていたことが見事に証明されました」とドイツのボンにあるライプニッツ研究所の爬虫両生類学者アレクサンダー・ハース氏は話

    最古のオタマジャクシの化石を発見、1億6100万年前、しかも巨大
  • シルクロードの失われた中世2都市を発見、マチュピチュ並み高地

    トゥグンブラクは、近年発見されたばかりのシルクロード沿いの中世の山岳都市だ。ドローンを用いたリモートセンシング技術のライダー(LiDAR、光による検知と測距)調査により、この都市の城壁や防御壁の存在が明らかになった。(Imaging by SAlElab, J. Berner, M. Frachetti) ナショナル ジオグラフィック協会から資金提供を受けた研究チームが、かつてヨーロッパと東アジアを結ぶ交易路として栄えたシルクロード沿いの標高2000~2200メートルの高地で、これまで知られていなかった中世都市の遺跡を発見したとする論文を2024年10月23日付けで学術誌「ネイチャー」に発表した。 ウズベキスタン南東部の山岳地帯でドローンを用いたライダー(LiDAR、反射光を利用して詳細な3D地図を作成するリモートセンシング技術)調査を行い、6世紀から11世紀にかけて繁栄した2つの都市の様

    シルクロードの失われた中世2都市を発見、マチュピチュ並み高地
  • 第3回 禁書の世界──地下流通、蒐集家、司法との闘い

    アリストフィル社の展示会で披露された、サド自筆の『ソドムの百二十日』手稿。(Mcleclat / Wikimedia Commons / Public Domain) 書籍『サド侯爵の呪い 伝説の手稿『ソドムの百二十日』がたどった数奇な運命』(日経ナショナル ジオグラフィック)には主題となったサドの『ソドムの百二十日』を筆頭に、『ファニー・ヒル』(ジョン・クレランド著、18世紀英国のエロティカ小説)や『我が秘密の生涯』(19世紀の匿名作家による性愛遍歴を赤裸々に描いた自伝風の小説)など、かつては公然と読むことができなかった作品がいくつも出てくる。当時は秘密裏に出回り、読んだら捨ててしまう人までいたが、『サド侯爵の呪い』はこうした作品の存在なくしては語れない。 というわけで、第3回は、禁書の烙印を押された作品についてお話しさせてください。 フランスでは、サドのは禁書の扱いを受けており、暗黒

    第3回 禁書の世界──地下流通、蒐集家、司法との闘い
  • 世界の壮大なドラゴン伝説6選、最古、最大、最強の竜は?

    新約聖書の黙示録に登場する7つの頭を持った竜。19世紀のフレスコ画。(PHOTOGRAPH BY NPL - DEA PICTURE LIBRARY/W. BUSS, BRIDGEMAN IMAGES) 竜は、地球上のほぼすべての文化に存在し、昔から様々な大陸の民話、文学、芸術に登場してきた。鋭い爪に硬い鱗、尖った歯といった恐ろしい特徴をあわせ持つ竜は、人間の最も原始的な恐怖心から生まれ、現実世界で直面する危険について互いに警告するために用いられたと、研究者たちは考えている。 しかし現代になっても、竜はなぜこれほどまでに人々の想像力をかきたててやまないのだろうか。その秘密を解くカギとなりそうな6つの壮大な神話を紹介しよう。 ングウィ――世界最古の竜伝説 ヘビのような神ングウィは、様々な神話に影響を与えた。この16世紀の絵画に描かれているミズガルズの大蛇ヨルムンガンド伝説(北欧神話)もその一

    世界の壮大なドラゴン伝説6選、最古、最大、最強の竜は?
  • 第2回 書物に狂わされた人々──装丁への妄執、自動筆記、行方不明の原稿

    『サド侯爵の呪い』には、ギュスターヴ・フローベールの描くような愛書狂を魅了するさまざまな書物が登場する。愛書狂が求める書物の多くは、驚くほど美しい。 たとえば小口絵というものがある。分厚いの側面の角度を調節すると、絵が現れるという仕掛けがほどこされているのだ。動画もみつかるので(Youtube「A Hidden Art Form You’ll Flip For」など)、機会があればぜひみてほしい。 もっと奇妙なところでは、人間の皮膚で装丁した書物がある。『サド侯爵の呪い』の登場人物のひとり、フレデリック・ハンキーは個人で大量のエロティカのを英国に持ちこんでいた蒐集家だ。彼の厳選した数少ないエロティックなのコレクションには、性や死や拷問を想起させる露骨な装丁が施されている。彼は人間の皮膚で装丁したいと考え、できるなら生きている若い女性から剥いだ皮膚を求めていたという。 実際に人皮装丁

    第2回 書物に狂わされた人々──装丁への妄執、自動筆記、行方不明の原稿
  • 最古級の「シャーマン」か、1万2000年前の女性、トルコで発見

    女性の「シャーマン」が埋葬されたのは紀元前10世紀。この頃、そこから240kmほど離れたトルコ南東部に、農耕が発達する前の重要な過渡期の狩猟採集民の複合集落あるいは宗教的施設と考えられるギョベックリ・テペ(写真)が建設された。(PHOTOGRAPH BY VINCENT J. MUSI, NAT GEO IMAGE COLLECTION) およそ1万2000年前にチグリス川の上流近くで亡くなった女性は「シャーマン」だったかもしれないと示唆する研究が、7月9日付けで学術誌「L'Anthropologie」に発表された。女性が埋葬された時代は、農耕が発達する少し前の「先土器新石器時代A期(PPNA)」(紀元前1万年~紀元前8800年頃)だ。場所は現在のトルコ南西部のチェムカ・ホユック遺跡で、女性はさまざまな動物の骨とともに埋葬されていた。 「近年のチェムカ・ホユック遺跡の発見は、PPNA期、お

    最古級の「シャーマン」か、1万2000年前の女性、トルコで発見
  • 古代ローマの遺跡の下、当時からすむ「巨大」なカニが急速に減少

    イタリアの固有種で唯一の大型淡水ガニ「ポタモン・フルビアティレ(Potamon fluviatile)」は、「かつて生息していた古代の群れの生き残り」だ。彼らはローマ帝国の興亡を目にしてきたかもしれない。トラヤヌスの広場で撮影。(PHOTOGRAPH BY EMANUELE BIGGI) 2005年、ローマの中心部にあるフォロ・トライアーノ(トラヤヌスの広場)で発掘を進めていた考古学者らが、古代の下水道を掘り当てた。その内部からは、大理石でできた紀元4世紀のコンスタンティヌスの胸像のほか、イタリアの固有種としては唯一の大型淡水ガニである「ポタモン・フルビアティレ(Potamon fluviatile)」の群れが見つかった。研究者らは、この群れの起源は非常に古く、ローマが単なる渓谷の湿地帯に過ぎなかった時代にまでさかのぼると推測している。 古代ローマ帝国の興亡を目にしてきたかもしれない彼らだ

    古代ローマの遺跡の下、当時からすむ「巨大」なカニが急速に減少
  • 古代マヤの生贄のDNAを分析、定説覆す驚きの結果が明らかに

    マヤ文明の古代都市チチェンイツァの大ピラミッド「エル・カスティージョ」。生贄を埋葬した貯水槽チュルトゥンと聖なるセノーテは、ともにこの近くにある。(PHOTOGRAPH BY CRISTINA MITTERMEIER, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 1967年、古代マヤで最も栄えた都市の1つチチェンイツァの貯水槽「チュルトゥン」とそこにつながる洞窟で、考古学者たちが多数の人骨を発見した。このチュルトゥンは8世紀にわたって若い成人や子どもの生贄の埋葬に使われ、遺体のほとんどが若い女性とされてきた。マヤ文明は儀式の生贄に女性を捧げることを好んだと考えられていたからだ。(参考記事:「チュルトゥンの図解も、知ってるようで知らないマヤ文明」) しかし、2024年6月12日付けで学術誌「ネイチャー」に発表された論文が定説を覆した。回収された64体の遺骨のDNAを分析したところ、す

    古代マヤの生贄のDNAを分析、定説覆す驚きの結果が明らかに
  • ギザの大ピラミッド、4500年前の「建造日誌」が残っていた

    紅海のエジプト沿岸に、ワディ・エル・ジャラフという4000年以上前の古代遺跡がある。遠く海の向こうにシナイ半島を望むこの遺跡で2013年、歴史的発見がなされた。石灰岩で作られた坑道のなかで、世界最古のパピルス文書が30巻見つかったのだ。 古さもさることながら、注目すべきは書かれている内容だ。この「紅海文書」と呼ばれるものは、その昔にぎやかな港として栄えたワディ・エル・ジャラフについて明らかにしているだけでなく、クフ王の大ピラミッド建造に直接関わっていたメレルという人物の日誌も含んでいた。(参考記事:「“永遠”のギザの三大ピラミッドはどう建てた? 謎の空間も発見」) ワディ・エル・ジャラフの遺跡が最初に発見されたのは1823年。発見者の英国人旅行家で古物収集家のジョン・ガードナー・ウィルキンソンは、これをギリシャ・ローマ時代のネクロポリス(共同墓地)だと考えた。その後1950年代に、考古学好

    ギザの大ピラミッド、4500年前の「建造日誌」が残っていた
  • ほぼ腕のない新種の肉食恐竜を発見、約7000万年前、パタゴニア

    新たに発見された恐竜コレケンの復元図。(ILLUSTRATION BY GABRIEL DIAZ YANTÉN) すべてはかぎ爪から始まった。アルゼンチンのラ・コロニア累層で恐竜の化石を探していたとき、古生物学者たちが岩石から突き出た足の指の骨に気付いた。さらに掘り出して調べてみると、鼻の低い肉恐竜アベリサウルス類の新種と判明した。小惑星の衝突によって白亜紀が終わる数百万年前、太古のパタゴニアを歩いていた肉恐竜だ。この発見は5月21日付で学術誌「Cladistics」に発表された。 アルゼンチンにあるエジディオ・フェルグリオ古生物博物館の古生物学者ディエゴ・ポル氏らは、この恐竜をコレケン・イナカヤリ(Koleken inakayali)と命名した。パタゴニア東部の先住民族テウェルチェの首長だったイナカヤルにちなむ名前で、テウェルチェ語で「粘土と水から生まれる」という意味だ。

    ほぼ腕のない新種の肉食恐竜を発見、約7000万年前、パタゴニア
  • 巨大古代サケの驚きの顔が明らかに、鼻先から牙が横に突出

    最新の研究で、スパイクトゥースサーモン(Oncorhynchus rastrosus)の復元図が示された。以前はセイバートゥースサーモンと呼ばれていたサケの仲間だ。(ILLUSTRATION BY RAY TROLL) 1972年、体長約2.5メートルにもなる史上最大のサケを発表した古生物学者たちは、この魚は陸を歩いていたサーベルタイガー(剣歯虎)の水中版だと考えた。サケの上顎(あご)から、2の湾曲した歯が下向きに突き出ているとされたからだ。(参考記事:「絶滅動物サーベルタイガー、驚きの暮らしが判明」) しかし今、新たな研究により、1200万〜500万年前に生きていたこのサケ(Oncorhynchus rastrosus)の象徴的な顔が覆された。2の印象的な歯が「鼻先」から、キョンやイボイノシシのように、横向きに突き出ていたと実証されたのだ。論文は4月24日付けで「PLOS ONE」に

    巨大古代サケの驚きの顔が明らかに、鼻先から牙が横に突出
    turu_crane
    turu_crane 2024/05/02
    一瞬サケの驚いた顔かと思った
  • 新種の恐竜を発見、「衝撃的に小さな巨大恐竜」ティタノマキア

    6700万年前、南米のパタゴニア中部に生息していたと思われる新種のティタノサウルス類の復元図。(ILLUSTRATION BY GABRIEL DÍAZ YANTÉN) 南米のパタゴニアで、新種の恐竜が見つかった。ティタノマキア・ギメネジ(Titanomachya gimenezi)という学名がつけられたこの恐竜は、長い首を持つ巨大な草恐竜ティタノサウルスの仲間だ。ただし、この恐竜は成長しても大型のウシほどの大きさにしかならない。論文は、4月10日付けで学術誌「Historical Biology」に発表された。 新種の恐竜は、アルゼンチンにあるエジディオ・フェルグリオ古生物博物館の古生物学者で、ナショナル ジオグラフィックのエクスプローラー(探求者)でもあるディエゴ・ポル氏の研究チームが発見した。同氏らは、南米における恐竜時代の終焉を探る研究を行っており、それが今回の発見につながっ

    新種の恐竜を発見、「衝撃的に小さな巨大恐竜」ティタノマキア
    turu_crane
    turu_crane 2024/04/16
    復元図結構大きくない?
  • 火の玉や「妖精の輪」など、湿地の怪奇現象を科学で解明

    英国イングランド東部ケンブリッジシャー・フェンズの凍った湖。この地方には様々な湿地や泥炭地があり、そこから幽霊や妖精の伝説が数多く生まれた。(PHOTOGRAPH BY PAUL HART) 深い霧に包まれた沼や湿地は、いかにも怪談やホラー映画の舞台になりそうだ。暗闇に光る火の玉や霧の向こうの黒い魔犬、妖精がつくる謎の輪など、昔から奇怪なものを見たという目撃談に事欠かない英国のイングランド東部も例外ではない。今でも、日が沈んで暗闇に包まれた沼地にひとたび迷い込めば、腐った水と黒い泥に足を取られ、底なしの沼に引きずり込まれてしまわないとも限らない。(参考記事:「人間の足が続々漂着「セイリッシュ海の謎」、科学で解明」) 北海からケンブリッジまで広がる面積約3900平方メートル(ほぼ滋賀県の面積に相当)の沼沢地帯は、地元では「ザ・フェンズ」と呼ばれている。フェン(fen)には英語で「沼沢地」とい

    火の玉や「妖精の輪」など、湿地の怪奇現象を科学で解明
  • シャチの新たな集団を発見か、研究者も驚く未知のタイプ、太平洋

    太平洋のシャチには、「オーシャニック(外洋)型」と呼ばれる第4のタイプが存在する可能性がある。画像は、米国カリフォルニアのモントレー湾を泳ぐオーシャニック型のシャチ。(PHOTOGRAPH BY SLATER MOORE PHOTOGRAPHY) シャチは通常、海岸線沿いにとどまる傾向にあるが、大海原をわたり、クジラなどの大きな獲物をとる新しいタイプの群れが新たに見つかったかもしれない。学術誌「Aquatic Mammals」に2024年3月14日付けで発表された研究によると、米オレゴンやカリフォルニアから遠く離れた外洋で、何度もシャチが目撃されているという。多くは大陸棚よりずっと沖合で、水深は約4500メートルに達する場合もある。 「少なくとも北太平洋では、これまでに外洋のシャチを対象とした格的な研究が行われた例はありません」と、研究リーダーを務めたカナダ、ブリティッシュ・コロンビア大

    シャチの新たな集団を発見か、研究者も驚く未知のタイプ、太平洋
  • 221年ぶりに周期ゼミの2集団が同時に大量発生、江戸時代以来

    セミのなかには、毎年姿を現すものもあれば、一定の周期でしか姿を現さない「周期ゼミ」もいる。2024年の春は、米国の南東部から中西部で、周期ゼミの2つの大きな集団が同時発生する見込みだ。(PHOTOGRAPH BY REBECCA HALE, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 2024年の4月下旬から6月にかけて、米国の南東部から中西部で、200年の時を超えて大自然の交響曲が奏でられる。周期ゼミの2つの集団が221年ぶりに同時に姿を現しはじめるのだ。「今年はとても重要な年になるでしょう。神秘的で驚くべき出来事です」と、「虫博士」として知られる米ミズーリ大学のタマラ・リオール氏は言う。(参考記事:「17年ゼミの大発生始まる、動物たちの反応は?」) 221年ぶりなのは、2つの集団の周期がそれぞれ13年と17年だから。前回同時に姿を現したのは1803年のこと。米国大統領はトーマス

    221年ぶりに周期ゼミの2集団が同時に大量発生、江戸時代以来
    turu_crane
    turu_crane 2024/03/19
    >彼らが交尾して死ぬまでの間に、信じられないほどうるさい鳴き声を耳にすることになる
  • 【動画】ホホジロザメをソロで狩るシャチ、初の報告、2分の早業

    ホホジロザメを仕留めて肝臓だけを取り出すシャチの「スターボード」。2分以内にすべてをやってのけるという信じられないパワーと戦略を披露した。(字幕は英語です) サメの肝臓を外科手術のように取り出すことですでに有名なシャチ(Orcinus orca)が、新たな技を隠していた。なんと、自然界で最も恐ろしい捕者のひとつであるホホジロザメ(Carcharodon carcharias)をシャチが単独で仕留めたという初めての科学的な報告が、2024年3月1日付で学術誌「African Journal of Marine Science」に掲載されたのだ。(参考記事:「【動画】サメの胸を正確無比に切り裂き、肝臓だけをべるシャチ」) その映像は2023年6月に、南アフリカのモーセル湾で撮影された。いつもはケープタウン近くで血縁関係のある「ポート」という名のシャチとともに狩りをする「スターボード」が、体

    【動画】ホホジロザメをソロで狩るシャチ、初の報告、2分の早業
  • 「歩く」魚も、奇妙な深海生物を100種以上発見、すべて新種か

    チリの海山で1月に発見された新種と思われるフサアンコウの仲間。フサアンコウは待ち伏せ型捕者で、「誘引突起」で獲物をおびき寄せて仕留める。(PHOTOGRAPH BY SCHMIDT OCEAN INSTITUTE) チリ沖の深海を探査していたチームが最近、新種と思われる奇妙な生物を100種以上も発見した。SF番組にはエイリアンとの遭遇が付きものだが、たとえ想像上の生物でも、こうした深海生物ほど奇妙なものはほとんどいない。 「探査が進んでいない辺境の海で新種を発見すること自体は予想外ではありませんが、100種以上も発見できたことには感激しています」と主任研究員のハビエル・セラネス氏はナショナル ジオグラフィックにメールで語った。セラネス氏はチリ、北カトリック大学の海洋生物学者だ。 セラネス氏らは1月、シュミット海洋研究所の調査船「ファルコン」で南東太平洋の深海探査に出発した。そして、ライト

    「歩く」魚も、奇妙な深海生物を100種以上発見、すべて新種か
  • 古代の騎馬民族スキタイ人、人の皮で矢筒を作っていた、初の証拠

    スキタイ人の墓から出土した2400年前の皮や毛皮の断片47個のうち、少なくとも2つが人間のものだったことがわかった。(PHOTOGRAPH COURTESY MARINA DARAGAN) 古代ギリシャの歴史家ヘロドトスは、2400年以上前に、騎馬遊牧民のスキタイ人は人間の皮を使って矢筒を作ると書き残した。これまで疑問視されることが多かった記述だが、このたび、それが事実だったことが確認された。2023年12月13日付けで学術誌「PLOS ONE」に発表された論文には、「この調査結果によって、ヘロドトスのおそろしい主張が裏付けられたものと考える」とある。 ヘロドトスによると、スキタイ人は最初に殺した人間の血を飲んだり、頭皮を集めたりしていた。「死んだ敵の右手から、皮や爪などあらゆるものを集め、矢筒のカバーにする者も多い。人間の皮は厚く、光沢があるので、あらゆる動物の皮の中で一番明るく白いとも

    古代の騎馬民族スキタイ人、人の皮で矢筒を作っていた、初の証拠
  • 辰年に新種発見 火は吐かないが現実にいる世界のドラゴンたち

    コモドオオトカゲ(コモドドラゴン)は先端が分かれた舌で獲物の「においを嗅ぐ」。世界で最も有名な実在するドラゴンの一種だ。(PHOTOGRAPH BY STEFANO UNTERTHINER, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 2024年は甲辰(きのえたつ)だ。 辰(ドラゴン)は十二支で唯一、伝説上の生き物だ。甲は十干のひとつで、10の要素すべてが五行の元素(木、火、土、金、水)と関連づけられている。前回の辰年は2012年だった。 干支のドラゴンは実在しないかもしれない。ただし、よく似た特徴を持つ動物は現実に存在する。 新種の「小型ドラゴン」 2024年1月、インド南部の西ガーツ山脈でキタカンガルートカゲ(アガスティアガマ属)の新種アガスティアガマ・エッジ(Agasthyagama edge)が発見された。体長は10センチメートル余りしかなく、科学者たちは「小型ドラゴン」と

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