近い将来、ほぼ確実に起きるとされている南海トラフの巨大地震と首都直下地震。今、これらの地震のメカニズムを知るうえで、過去数千年にわたる地震の歴史を解明する「古地震研究」と呼ばれる分野が関係者の注目を集めています。 未曾有の被害をもたらした東日本大震災を“想定外”だったとする専門家が多いなか、古地震研究者たちは東北で巨大地震が発生するおそれがあると警鐘を鳴らし続けていました。 “次の巨大地震”に備え奮闘している ある研究者を通じて古地震研究への期待と課題についてお伝えします。 (ネット報道部 潮田 敦) 「アウトリーチ活動」で直接伝える 震災から3年余りがたったことし3月中旬、千葉市内で、過去の歴史上の巨大地震についてのセミナーが開かれました。講師は古地震研究の第一人者で、独立行政法人産業技術総合研究所活断層・火山研究部門の宍倉正展グループ長です。この日は房総半島を襲った過去の巨大地震