文書の分かりにくさは「表現の分かりにくさ」と「文脈の分かりにくさ」に大別できる1。本記事では主に前者の「表現の分かりにくさ」を改善するためにおすすめできる書籍を紹介する。 後者の「文脈の分かりにくさ」は読み手に依存する。日本語としては理解できるが頭に入ってこない文章、が存在するのは直感的に受け入れられるだろう。読み手の前提を把握し、読み手の論点に向かって文章を書く必要があるが、本記事ではここには踏み込まない。 1.理工系のためのよい文章の書き方 www.shoeisha.co.jp よい文章を書くために必要な全体像がつかめる。原則、文章構成や文の書き方、心得などを説明している。190ページ程度で簡潔にまとまっているのが良い。書いてあることは基本的な内容であり、著者も「どちらかというと学生向けを意識して書いたものである2」と述べているが、多くの社会人にとっても役に立つだろう。 『理科系の作文