トランプ次期米大統領は11日放送のFOXテレビの番組で、中国大陸と台湾がともに「中国」に属するという「一つの中国」原則について「なぜ我々が縛られなければならないのか」と疑問を呈した。37年間、米中関係の基礎となってきた同原則の見直しの可能性を示唆した。 中国政府は台湾を国家として認めておらず、「一つの中国」の原則を守るように米側に求めている。トランプ氏はこれを順守するかどうかは、中国の為替政策や南シナ海問題、貿易政策などの対立する分野を挙げて「中国側が我々と取引をするかどうかにかかっている」と述べ、来年1月の就任後、中国政府との外交交渉の手段として利用していく考えを示した。 トランプ氏は2日、台湾の蔡英文(ツァイインウェン)総統と電話会談。米中国交正常化に伴って米国と台湾が断交した1979年以来、米国の大統領や次期大統領が台湾総統と接触したことが公になるのは初めてで、中国が抗議していた。