巨匠タル・ベーラ監督の“最後の作品”(C)Marton Perlaki[映画.com ニュース] 第61回ベルリン映画祭銀熊賞と国際批評家連盟賞をダブル受賞、ハンガリーの巨匠タル・ベーラ監督が哲学者ニーチェの逸話を題材にした作品「ニーチェの馬」の予告編を、映画.comが入手した。独自の哲学と映像美で映画を撮り続けてきたタル・ベーラ監督は、本作がメガホンをとる最後の作品と表明している。 「神は死んだ」の言葉で知られ、近年ふたたび脚光を浴びている19世紀末のドイツの哲学者ニーチェ。イタリア・トリノの広場で鞭(むち)打たれ疲弊した馬の首をかき抱き、そのまま発狂したというエピソードからインスパイアされた本作は、重厚なモノクロームの映像で馬のその後を追う。 撮影は2007年の「倫敦から来た男」に続き、フレッド・ケレメンが担当。暴風が吹き荒れる寒村で生きる農夫と娘、疲れ果てた馬……貧しく単調な生活から