アメリカでは大統領候補が、東京では都知事候補が声を張り上げている。 大声を出せば人は振り向く。でも中身が無ければ再びそっぽを向かれてしまう。 人に声を届けるのは難しい。大勢の人の前で話す、2人きりで話す、複数人で会話を回す、それぞれ違うスキルが求められる。 ならばまとめて面倒をみてしまおう。対人コミュニケーションに効く10冊を集めた。精神論は全くない。「アンカリング」「ロゴス」「分人」など、必殺技の名前のような技法を身につけ、「コミュ障」を克服しよう。 ◆パトリック・ハーラン『大統領の演説』 アメリカの大統領選は、ほぼ共和党と民主党の一騎打ち。僅差で当選するほど、約半数の国民は他の候補に投票したことになる。大統領の就任演説は、人種や民族がバラバラな国民全員の一つにする超高難度ミッションなのだ。 本書ではケネディ、レーガン、オバマなど歴代大統領の名スピーチを分析し、「エトス」「パトス」「ロゴ