鳥海修さん=西田香織撮影 日々、iPhoneなどのスマホや、ワード文書、ドキュメントを通じて私たちが読んでいる文字。その書体(フォント)には一つひとつ名前がついている。ヒラギノや游明朝など、多くの人に届く書体は、字游工房の鳥海修さんが書体設計士として開発に関わった。特定のジャンルや作家のための書体なども生み出してきた。 「水のような、空気のような」書体は、いつの時代も主張することなく読者に寄り添う。文字の作り手が表に出ることはほとんどないが、書体はブックデザインに大きな影響を与える要素だ。40年に渡り、書体開発と向き合ってきた鳥海さんに話を聞いた。 山形で育った青年が「文字」に出会うまで 字游工房が開発したヒラギノ書体。 大日本スクリーン(現SCREENホールディングス)の依頼で制作された「ヒラギノ明朝体」「ヒラギノ角ゴシック体」「ヒラギノ丸ゴシック体」「ヒラギノ行書体」の4書体の一部は、