【記者:Sarah Knapton】 抜けた歯や欠けた歯がいつか再生できるようになるかもしれない──歯の形成を担う幹細胞と、その工程にスイッチを入れる遺伝子を発見したと、英国の研究者らがこのほど発表した。 プリマス大学の研究者らが発見したのは、幹細胞の新たな集まりで、骨格組織を作り、歯の象牙質(歯の主体を成す硬組織)の形成に寄与しているというものだ。さらに同研究チームは、DLK1と呼ばれる遺伝子がこの幹細胞を刺激することで、虫歯や歯の欠け、ひびといった歯の損傷も修復できるということを論文で示している。 歯が損傷した場合、通常は、詰め物をするかクラウン(歯冠)をかぶせるしか修復する方法はない。しかし、子どもの頃に乳歯が抜けて永久歯に生え変わることからも、ヒトの体には新しい歯を生やす能力があるのは明らかだ。 研究を率いたビン・フー博士は次のように述べている。 「歯の主体を作る新しい幹細胞と、歯