かすむ高校教育の目的…「月刊高校教育」編集長 花岡萬之さん53 全国すべての高校の約1割もの学校で「必修逃れ」をしていたことが、明らかになった。虚偽報告、調査書のねつ造などが、公教育の場で行われていた。なぜなのか、どうすればよいのか、問題の本質は何か。3人の識者に聞いた。 (中略) ――高校教育は何のためか、という疑問が出ている。 高校教育には、大学準備教育だけでなく、大人になる前の人間としての完成教育という側面もある。それが、受験中心になってしまっている。世界史未履修問題は、その現状の表れに過ぎないとも考えられる。 高校とは何かという社会的な合意が出来ていれば、学校が一気に流されることはなかった。 現在の単一の指導要領が、高校の実態に合っているのかという疑問もある。 高校教育の難しさは、小中に比べ、生徒に学力の幅が大きいことにある。難関大学に多数合格する学校がある一方、アルファベットも書