日本の少子化社会を語る際、必ず指摘されるのが未婚率の増加傾向。各種の意識調査では「いずれは結婚したい」という結婚願望は男女とも非常に高いが、その半面、出会う機会の少なさや経済的な不安を訴える声は多く、未婚率の上昇が続いている。出会いをめぐる「今」を探った。 (宮本直子) 「うちは一人っ子なんです」。「息子は結婚には慎重で…」。初夏のある日曜日、東京都内のイベント会場に、六十~七十代の男女約八十人が集まった。参加者は全員二十~四十代の独身男女の親たち。子どもの性格や職業について熱心に会話を交わす。 主催は親同士の代理見合いを運営する「ひまわり交流会」。うまくいけば親同士が連絡先を交換し、後日、本人同士のお見合いに進む。会社員の長男(33)がいる横浜市の母親(65)は「息子の職場は男ばかりで出会いがないみたい。周りもみな独身。『結婚を急ぐこともない』と息子は言うが、心配で」と話す。 親の代理見