大海原に浮かぶ海底油田プラントに舞い降りた一機のヘリコプター。そこから現れた眼光鋭いサングラスの男は、「作家・国際ジャーナリスト 落合信彦」。世界中を飛び回る彼は、取材を終えると、辛口のビールで喉の渇きを潤した――。 そんな映画のワンシーンのようなCMが、昭和が幕を閉じるまでの約2年間、全国のお茶の間に流れた。昭和62年(1987)3月に新発売された「アサヒスーパードライ」のCMだ。このビールを空前の大ヒットへと導いた時期、すでに「落合信彦」は出版業界では「伝説の作家」となっていた。もっともそのレジェンドとは、思わず眉を顰めたり、耳にした瞬間、吹き出してしまうトンデモ伝説の数々なのだが……。 たとえば、大晦日になると、千葉県のゴルフ場には各社の担当者や出版関係者が15名ほど集い、落合センセイを囲んで年越しをするのが恒例行事となっていたが、そこで目を疑うような光景があったという。 「集合時間
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