東京都議選の惨敗から3週間余、民進党の混迷を象徴するかのような辞任劇である。 蓮舫代表が辞意を表明した。その2日前、野田幹事長が退く考えを示した際には自ら党の立て直しにあたる意欲を語っていた。突然の辞意表明は、民進党が野党第1党として崖っぷちに立っていることを印象づける。 安倍内閣の支持率が急落するなか、民進党は政権批判の受け皿たりえていない。本紙の直近の世論調査では、民進党の政党支持率は5%にとどまる一方、支持政党なしは47%に増えた。国民の間に既成政党への不信、政治への不信が募っている。日本政治の深刻な危機である。 民進党は、加計、森友問題などで政権を監視・追及する野党の重要な役割は担ってきた。それでも国民の支持がいっこうに広がらないのはなぜなのか。 最大の理由は、政党にとって最も大事な政策の軸が定まらないことだろう。 例えば原発政策では、蓮舫氏が打ち出そうとした「2030年原発ゼロ」