「MOTHER」は、コピーライターだった糸井重里によってつくられたファミコンのゲームソフトだ。 1989年の、夏休みが始まってまもない7月27日に発売された。 1900ねんだいの はじめ アメリカのいなかまちに くろくものようなかげがおち ひとくみの ふうふが ゆくえふめいに なりました。 おっとのなは ジョージ。 つまのなは マリア。 2ねんほどして ジョージは いえにもどりましたが どこにいっていたのか なにをしていたのかについて だれに はなすこともなく ふしぎなけんきゅうにぼっとうするようになりました。 つまの マリアのほうは とうとう かえっては きませんでした。 この文章を冒頭に、MOTHERというゲームは始まる。たどたどしく、なぞめいた言い回しであり、これだけを取り出しても特別な名文という印象はない。 しかしこの導入は、ゲームに介在するテキストがなしうる、最高の叙情を湛えてい
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