「日本人は個性がない」 「日本人は、和を乱すまいとして、みな同じように行動する」 ほんとうだろうか? まわりの日本人を見わたしてみよう。「自己チュー」や「へそまがり」、「空気が読めない人」はいないだろうか? 引っこみ思案、目立ちたがり屋、瞬間湯沸かし器、一言居士……いろいろな人が居はしないだろうか? しかし、「日本人は、みな同じように考え、同じように行動するので、個性がない」というのは、今や世界の「常識」なのである。 「日本人は、集団の和を何よりも大切にするので、集団と一体化しようとするあまり、自分というものをなくしてしまっているのだ」――そう日本人論は繰りかえし説いてきた。 だが、科学的な研究は、この「常識」を真っ向から否定しているのである。 薄弱な根拠 そもそも、「日本人は集団主義」という「常識」は、科学的な研究から出てきたわけではない。 その「証拠」とされてきたのは、ほとんどが個人的