「アプリ開発チームのためのプロジェクトマネジメント ~チーム駆動開発でいこう!~」 稲山文孝・著 (Amazon.com) なかなか面白い本である。著者の稲山文孝氏は大手SIerの(株)エクサで、プロジェクト監査・推進部門におられるベテランで、わたしが主査を務める「プロジェクト&プログラム・アナリシス研究部会」にもしばしば顔を出される。PM手法の展開と普及に熱心な方で、だからIT業界向けに本書を執筆されたのだろう。 世の書店にはPM関係書はすでにかなり充棟しており、拙著「世界を動かすプロジェクトマネジメントの教科書」もその末席につらなっている訳だ。だが、その多くは米国発「グローバル標準」であるPMBOK GuideⓇの解説を中心にしている。 一方、PM本の主要な読者層はIT業界人であり、PM関連団体・学会のイベントなどに行ってもたいてい参加者の8割方はIT業界だ。だが、日本のIT業界人、と