絵を描くときには、デッサンにおける精度が最終的な仕上がりに大きく影響する。デッサンではモチーフの輪郭や陰影を捉えるだけに留まらず、そこに漂う空気やモチーフの存在感もしっかりと表現することが大切で、単なる絵を描くこととは別の表現力も必要だ。本書は、人体の基本構造、豊かな表情、バランスの取り方などを含め、どのようにすれば人物デッサンが上達するかを詳しく紹介している。まずは、絵を描く前の段階で必要とされる画材選びやその使い方、描く姿勢などの基本的な項目から解説をスタート。次に簡単なモチーフから複雑なものまで、描かれていく途中の段階を細かく分割しながら丁寧に解説した構成だ。最後は着色まで解説。技術的なコツはもちろん、絵を完成させていくことの楽しみまでも伝えている。