2、3、5……から始まる素数は、数学という大伽藍を積み上げるレンガのようだ。しかし、その基本ルールはまだだれも知らない(撮影/写真部・長谷川唯)この記事の写真をすべて見る 100万ドルの懸賞がかけられた数学の最難問、リーマン予想。もしそれが証明され、「素数」をめぐる数学の基本法則がわかれば、世界は変わるかもしれない。今年はリーマン没後150年──。 2016年1月、既知を超える「最大の素数」が見つかったと報告された。3003764から始まって86436351まで、2233万8618桁の数である。1ページに2千桁詰め込んだとしても、全部を印刷すれば1万枚を超える。 素数とは、1とその数自身でしか割り切れない自然数、と定義される。この「最大の素数」は、「2の乗マイナス1」という特別な形で書ける素数(メルセンヌ素数)で、インターネット上で多数のパソコンをつなぎ、分散処理で未知の素数を次々計算しよ