●はじめに 解析力学は、電磁気学や量子力学のように新たな定理を提示する類のものではありません。 その目的は、 ニュートン力学の表現をより数学的に洗練させ、一般化(抽象化)することで、 運動の数学的記述を機械的に行うこと です。これはつまり「思考の節約」を目指したものといえます。 ニュートン力学で運動方程式を立てるには、ベクトルによる図解法を用いますが、 時として非常に困難になることをすでに多くの方が経験されていると思います (例えば、リンク機構の拘束点反力を求める場合など、非常に困難な場合があります)。 解析力学では、この図解法の困難さを取り除き、解析的な方法を用いることによって、 機械的に運動方程式を立てることが可能になります (ただし、答えが簡単に導けるとは限りません)。 これこそが解析力学の強力な武器になります。 さらには、解法だけでなく、運動方程式自体の一般化・抽象化によって、 位