岩手県大槌町から兵庫県香美町沖に漂流してきた小型船=31日午後5時、兵庫県香美町の香住東港、新井正之撮影 31日午前10時40分ごろ、兵庫県香美(かみ)町の沖合約1.2キロの海上で小型船が漂流しているのを地元の漁船が見つけ、第8管区海上保安本部に通報した。香住海上保安署によると、東日本大震災で岩手県大槌町の港から流された船で、津軽海峡を経て漂着したとみている。両町は海岸沿いで約1500キロ離れている。 同署によると、船は長さ5.7メートル、幅1.6メートルで、水につかった状態で浮いていた。船体の登録番号を調べたところ、大槌町の吉里吉里(きりきり)漁港の船とわかった。 所有者は3月11日の震災で犠牲になった大槌町の左官業、野崎長一(ちょういち)さん(当時63)。兄の重太(しげた)さん(68)によると、長一さんは海岸の様子を見に行って津波にさらわれ、翌日に遺体で見つかった。港にあった船も