※先に謝っておきます。上遠野浩平先生、ごめんなさい。 ラノベ天狗の問題は、俺にとって頭の痛い問題ではある。 何しろ、〝正義の味方〟だ。 さまざまな言説が気ままな突風のように吹き荒れるインターネットにあって、正義なんてのはあくまで相対的なものにすぎない。要は誰にとって正しいか、ということでしかなく、誰もが納得する絶対的な指針なんて結局のところどこにも存在しないのだ。 それはそれ、これはこれ、あなたのライトノベルだと思うものがライトノベルです……ただし他人の共感を得られるとは限りません。そんなものとしてやっていくしかない。少なくとも、俺はそう思うし、たいていの人もそう考えていると思う。 ――だけど。 「あなたは、それでいいと思います」 彼女は穏やかにそう言う。 普段の彼女はとても理知的で、読書を愛していて、それでいてどこか一線を踏み込むのを躊躇わせるけじめを持った少女だ。だから、なのかもしれな
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