クラインは、2007年9月に The Shock Doctrine: the Rise of Disaster Capitalism[1] を出版。同書は三十数か国語に翻訳され、日本語版は2011年9月に刊行された[2]。 クラインはシカゴ学派 (経済学) のミルトン・フリードマンを批判した。フリードマンはケインズ主義に反対して「真の変革は、危機状況によってのみ可能となる」と述べるなど徹底した市場原理主義を主張したが、クラインはこうした主張を「ショック・ドクトリン」と呼び、現代の最も危険な思想とみなしている。そして、近年の悪名高い人権侵害は、反民主主義的な体制による残虐行為と見るばかりでなく、民衆を震え上がらせて抵抗力を奪うために綿密に計画され、急進的な市場主義改革を強行するために利用されてきた側面に注目すべきと説く。 「ショック・ドクトリン」の最初の応用例は、1973年の軍事クーデターに