自殺というのは、言うなればわがままなのだろう。わがままという言い方は悪いかもしれない。周りの人の心情を顧みることなく、優先することなく、自殺は自分のためにやることだと思う。当たり前といえば当たり前かもしれない。そこまで切羽詰まった状況で周りの人がどうとか考える余裕はない。周りとは肉親や伴侶も含む。人の話を聞く余裕さえ無い。同様に自殺を止めるという行為も、止める人のわがままでしかないと思う。相手が死んで自分が辛くなるのは嫌だから、相手が辛かろうと生きることを強いる。自死の前段階にあるそういった攻防というのは、互いのエゴのぶつかり合いだと思う。 高校生の頃、僕は人の自殺を受け入れたことがあった。死んで楽になるなら、相手にとってそれが本当にいい事かもしれないと思ってしまった。彼女は僕の目の前で薬の過剰摂取を行い、結局人に見つかって病院に運ばれ一命を取り留めた。その時僕の中に残ったのは後悔と無力感