→紀伊國屋書店で購入 「論文執筆のホンネとタテマエ」 論文の書き方を教えるのは難しい。「大人」の批評家や研究者だって、自分がどうやって論文や批評を書いているのかわからないことがあるだろう。というか、そもそも「よくわからないけど書けてしまった」という部分のない文章というのは、あまりおもしろくないのである。 それから、これは少なくとも筆者の場合にはときにあるのだが、論じているうちに「いったい何のためにこんなことを書いているのだろう?」という気分になってくることがある。調子の悪いときである。文章が議論のための議論になっていて、抽象概念がやたらと多く、数学の演算のようにとりあえず概念のツジツマは合っているのだけれど、何というのか、話に迫真性がない。書いていても自分でおもしろがっていないのがありあり。そういうときは、ボツにするしかない。 『論文執筆法』と題された本でも、そこまでは面倒見きれないだろう