0.前口上 私は「芸術」のわからない人間です。小学校6年間、絵画教室に通い、中高では美術部に在籍しました。高校では文藝部にもハマりました。芸術に、人一倍、興味はあったのです。しかしついに一度も芸術の狂気に触れることもなく、名作・傑作と名高い作品に接しても、俗なレベルで薄っぺらな「感動」をするばかりで、電撃に打たれるような感覚はついぞ味わったことがない。つまらない、小市民に過ぎません。 いま世界の片隅に、「少女単体」という芸術ユニットがあります。中心人物である苅谷文の強烈な個性に依拠したプロジェクトで、現代日本の前衛芸術のひとつの形として、某方面で話題沸騰中だといいます。本日、私は少女単体の第4公演「ロミオとジュリエット」を鑑賞しました。Folio 編集長サイキカツミのもとへ届いた招待状に誘われ、Folio スタッフとして招待客を演じることとなったのです。 この度、「少女単体」は、第4回公演