人生の行き先は早くに決めたほうがよい編集部(以下色文字):キャリアが多様化したことで働き手の可能性が広がった一方、選択肢が増えたからこその悩みを抱える人たちもいます。柳井さんは人生の「行き先」という表現を用いて、生涯を賭けて追求すべき目標を定めることの重要性を説いてきました。それぞれの人生の行き先をどのように決めればよいのでしょうか。 柳井(以下略):人生の行き先がどのように決まるかは偶然でもあり、必然でもあります。私はこれを言い続けてきましたが、自己実現の可能性は与えられたものの中でしか見つけられません。何を与えられるかは偶然によるところが大きく、どのような経験をし、どのような人と出会い、どのような機会を得られるかは、一人ひとり異なります。ただし、その中から可能性を見出すしかないと考えれば、人生の行き先は必然で決まるといえます。 重要なのは、自分の行き先をできるだけ早くに決めることです。