ところで、なぜ財務省は、「債務残高/GDP」ではなく、素直に「債務残高」と経済成長率の相関関係を示さなかったのだろうか。 それは、経済評論家の三橋貴明氏が明らかにしている。彼はブログで、OECD諸国の政府債務残高と実質経済成長率の間には正の相関関係があるという、財務省にとってはまことに不都合なデータを示したのである。 もっとも、先ほど述べたように、重要なのは、政府債務ではなく、政府支出の規模と経済成長との関係である。 これについては、すでに朴勝俊・関西学院大学教授による論文がある。その中で朴教授は、OECD各国の政府支出の伸び率と名目・実質GDP成長率の間に強い相関関係があることを示したばかりではなく、政府支出から名目GDPへの因果性の検討まで行っている。 特に、この論文の中で、1997年から20年間のOECD諸国の政府支出の伸び率とGDP成長率の相関を示した「図表1」における日本の位置に
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