ブックマーク / www.enpitu.ne.jp (12)

  • 活字中毒R。

    『週刊東洋経済』2010年10月9日号(東洋経済新報社)の記事「モバゲー・グリー・ミクシィ 疾走!3大SNS」より。 【グリーの主力タイトルの一つの育成ゲーム『クリノッペ』等を開発した、荒木英治・メディア開発部ソーシャルネットワーク統括部長は言う。「もともとSNSを活性化させる仕掛けとしてゲームを導入した。知らない人同士でも、ペットをきっかけに会話が弾むことはよくある。これをSNSに導入した」。 『クリノッペ』は、ユーザー同士がペットを交流させながら育てていくところがポイント。衣装などを有料アイテムとして販売する仕組みだが、子ども同様に『クリノッペ』に手を掛け、他人に見せびらかしたくなるという心理を突いている。 また、運営でつねに注意しているのが、「無料ユーザーでも楽しめること」(荒木氏)。全ユーザーに占める課金ユーザーの割合は業界平均で8〜10%といわれるソーシャルゲーム。課金ユーザー

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    『心を開かせる技術』(橋信宏著・幻冬舎新書)より。 【応酬話法というコミュニケーション技術があります。 主に営業の世界で、新人に教育される、営業用トークのことで、営業マンならたいてい、マニュアルを渡されて、先輩社員からしごかれるものです。 客からの質問や反応に応答するための基的なセールス・トークで、最も大切な話法です。 セールスするとき、客が「いま、欲しいものではない」と答えれば、営業マンが「いまのうちから備えておいたほうが差がつきます」と対応する。あるいは「ちょっと高いからいりません」と断られた場合、「使い方次第で、どんどん割安になります」と答える。 このように、どんな客の断り方でも、対応して商品を売るトークを応酬話法といいます。 基は、この商品を持つことによって、あなたはメリットを享受できる、ということをどんな方向からでも説明できることです。 そしてこの話法をさらに磨き上げ、究

  • 活字中毒R。 - 「へんじがない ただのしかばねのようだ」に詰め込まれた「珠玉のメッセージ」

    ゲームデザイン脳 ―桝田省治の発想とワザ―』(桝田省治著・技術評論社)より。 【「へんじがない ただのしかばねのようだ」 かのドラクエで、迷宮の奥などに横たわった白骨死体をチェックした場合に表示される汎用メッセージである。僕は、数あるゲームの中でこれよりよくできた文を読んだことがない。珠玉だと思う。 書いたのは、同作のゲームデザイナー兼シナリオライターである堀井雄二氏。残念ながら僕ではない。 節は、このメッセージにいかにたくさんの情報が集積されているか、その解説だ。これを読めば、僕が冒頭のメッセージを”珠玉”と評した理由がわかってもらえるはずだ。ま、わかったところで、そう簡単にマネできないけどね。 (1)基情報 まず、このメッセージの基情報は、「あなたは目の前の白骨死体と思しきものを確かにチェックしましたが、有用な情報も目ぼしいアイテムも見つけられませんでした」ということだ。 ここ

  • 活字中毒R。「『素直に承諾したものが損をする』というシステムは絶対に違う」

    Twitter』で僕もつぶやいています。 http://twitter.com/fujipon2 『のはなしに』(伊集院光著・宝島社)より。 (伊集院さん愛用のノートパソコンが故障してしまったときの話です) 【すぐに購入した家電量販店にパソコンを持っていくと快く「すぐにメーカーに頼んで無料修理をいたしますので、3週間お預かりいたします」という。3週間は少々痛いが、無料で直るのならいたしかたがない。と、パソコンを預けて帰宅。ここまでは良かったのだが…。 3週間後、家まで宅配便で送ってくれるといっていたパソコンが届かない。問い合わせてみると、なんだかんだあった後に「メーカーに直接聞いてほしい」ということになった。 その通り問い合わせてみると、メーカーの担当者が「すみません、あと3週間かかります」としれっというではありませんか。10年後の約束が3週間延びるのならばしれっといわれても仕方ないが、

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    『ユリイカ 詩と批評』(青土社)2009年10月号の「特集・福伸行」より。 (福伸行さんと大槻ケンヂさんの対談記事「『ドル箱』いっぱいの愛を!〜勝ち負けと、その先」の一部です) 【大槻ケンヂ:福さん自身はギャンブルはやるんですか? 福伸行:ほとんどやらないんです。とは言っても、ぼくは釣りとかはやる気がしなくて、やっぱり点数がつくもののほうが好きみたいなんですね。ゴルフも好きですけど、あれも点数がつくじゃないですか(笑)。点数がついて勝ち負けのあるものが好きなんですね。 大槻:その点で、ぼくには勝ち負けっていうのを否定したい気持ちがずーっとあるんですよ。つまり勝ち負けがあるということは負ける可能性があるわけで、「そんなの、いやだよっ!」って思うわけです。だからぼくの人生は「合気道人生」って言っているんですけど、合気道には勝ち負けってないんですね。ところが、『カイジ」とかは体制側が勝つ

  • 活字中毒R。

    『下流志向』(内田樹著・講談社文庫)より。 【答えることのできない問いには答えなくてよいのです。 以前テレビ番組の中で、「どうして人を殺してはいけないのですか?」という問いかけをした中学生がいて、その場にいた評論家たちが絶句したという事件がありました(あまりに流布した話なので、もしかすると「都市伝説」かもしれませんが)。でも、これは「絶句する」というのが正しい対応だったと僕は思います。「そのような問いがありうるとは思ってもいませんでした」と答えるのが「正解」という問いだって世の中にはあるんです。もし、絶句するだけでは当の中学生が納得しないようでしたら、その場でその中学生の首を絞め上げて、「はい、この状況でもう一度今の問いを私と唱和してください」とお願いするという手もあります。 世界には戦争や災害で学ぶ機会そのものを奪われている子どもたちが無数にいます。他のどんなことよりも教育を受ける機会を

  • よしもとばななさんの「ある居酒屋での不快なできごと」 - 活字中毒R。

    人生の旅をゆく』(よしもとばなな著・幻冬舎文庫)より。 【この間東京で居酒屋に行ったとき、もちろんビールやおつまみをたくさん注文したあとで、友だちがヨーロッパみやげのデザートワインを開けよう、と言い出した。その子は一時帰国していたが、もう当分の間外国に住むことが決定していて、その日は彼女の送別会もかねていたのだった。 それで、お店の人にこっそりとグラスをわけてくれる? と相談したら、気のいいバイトの女の子がビールグラスを余分に出してくれた。コルク用の栓抜きはないということだったので、近所にある閉店後の友だちの店から借りてきた。 それであまりおおっぴらに飲んではいけないから、こそこそと開けて小さく乾杯をして、一のワインを七人でちょっとずつ味見していたわけだ。 ちなみにお客さんは私たちしかいなかったし、閉店まであと二時間という感じであった。 するとまず、厨房でバイトの女の子が激しく叱られて

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    Switch』VOL.27 NO.7 JUL.2009(SWITCH PUBLISHING)の「LONG INTERVIEW〜鶴瓶になった男の物語」より。取材・文は川口美保さん。 【実家の裏手に回った鶴瓶の姿を見かけたのか、誰かが声をかけた。 「マーちゃん! 帰って来たんか?」 「姉ちゃん、懐かしいなあ! 元気か?」 鶴瓶の間髪おかない声を聞いて、女は嬉しそうに言った。 「もう偉うなってしまって、口も利かれへんと思ってたわ!」 隣の姉ちゃんだった。一回りは年上だろうその人を前にすると、鶴瓶はすぐ昔に戻った。家族の話、近所の人の話、二人の会話からは次々に懐かしい人の名前が飛び出す。 姉ちゃんが息せき切るように言った。 「マーちゃんのお母さんはべっぴんさんやった。ここに来はったとき二十八か九だったと思うわ。スタイル良くて背も高かった。子供もぼちぼちできていったやろ。私な、子供のとき、あんなお

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    『任天堂 “驚き”を生む方程式』(井上理著・日経済新聞出版社)より。 【プラモデルなど工作や玩具も好きだった宮は、絵心と造形への興味を同時に満たすことができる工業デザインを学ぼうと、金沢市立美術工芸大学に入学する。 音楽を覚えたのはこの頃だ。ギターを独学で学び、友人とバンドを組んだ。下手ながらも友人たちと音を合わせる喜びを知った経験は、素人でもコントローラーを振るだけでセッションできる音楽ゲーム《Wiiミュージック》に生かされている。 奔放に育ち、あらゆる遊びを経験した宮は卒業を控え、地元・京都の玩具メーカーが何やら楽しそうに思えて、就職の面接に出向いた。当時の任天堂は、脱・カードメーカー路線の最中。ビデオゲーム市場へと乗り込もうとしている時で、任天堂としても美術や工業デザインを学んだ人間と必要としていた。 かくして、1977年、24歳の時、宮は任天堂に入社する。デザイナーとしての

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    『GetNavi(ゲットナビ)』2009年5月号(学習研究社)の「ゲットナビ探検シリーズ〜わが社のロングセラー伝説・第15回」(マリオ隊長著)より。ショウワノートの「ジャポニカ学習帳」が採り上げられています。 【ジャポニカ学習帳は、見たこともないような珍しい動植物の写真が表紙を飾り、裏表紙にはその解説を掲載。「読み物としても楽しめるノート」として、アラサー世代の心にも強く刻みこまれているはずである。しかし今回、広報担当氏から「マリオ隊長が小学校に上がられる少し前の78年頃から、表紙の内容と品質をさらに高めるため、世界各地に取材班を派遣するようになりました」と聞かされ仰天した! なんと、ギニア高地の頂上付近にしか咲かない花や、アマゾンのジャングル奥地にしか生息しない昆虫の姿を求め、何か月もかけて取材をしているのだという。ジャポニカ取材班は、我々探検隊さながらの労力を費やしてきたのだ! 職な

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    『怪しい商品ぜんぶ買って試した Vol.2』(鉄人社)より。 (通販の「怪しい商品」を買ったり、街の「怪しい店」に入ってみるという体験レポートを集めたから。「悪徳ダイエット商法のからくり全部教えます」という項の一部です。都内の悪徳ダイエット飲料販売会社で電話オペレーターとして働いていたという香崎めぐみさん(仮名・25才)の話) 【改めて言いますけど、ダイエット飲料の広告は全部ウソなんです。下剤を入れるのは《宿便が取れてる》ってキーワードを出すためだし、《アジア美容コンテストで最優秀賞!》なんてのは、コンテストそのものがありません。タレントの愛用者インタビューも、お金を払って出てもらってるだけです。 成功体験談なんかも、全てサクラか会社のスタッフですね。写真は別人かコンピュータ修整か、人が口や服の中にモノ詰め込んで太ってるように見せてるだけ。こんなインチキな会社があるなんて、怒りすら覚え

    u-c-h-i
    u-c-h-i 2009/04/23
    「効果がなければ全額返金します!」の裏側について
  • 活字中毒R。―村上春樹「ネット空間にはびこる正論原理主義を怖いと思う」

    『文藝春秋』2009年4月号の村上春樹さんへの独占インタビュー「僕はなぜエルサレムに行ったのか」より。 (2009年2月15日にイスラエルでエルサレム賞を受賞され、「壁と卵」のスピーチをされた村上春樹さんへの独占インタビューへの一部です。引用部はすべて村上さんの発言) 【ネット上では、僕が英語で行ったスピーチを、いろんな人が自分なりの日語に訳してくれたようです。翻訳という作業を通じて、みんな僕の伝えたかったことを引き取って考えてくれたのは、嬉しいことでした。 一方で、ネット空間にはびこる正論原理主義を怖いと思うのは、ひとつには僕が1960年代の学生運動を知っているからです。おおまかに言えば、純粋な理屈を強い言葉で言い立て、大上段に論理を振りかざす人間が技術的に勝ち残り、自分の言葉で誠実に語ろうとする人々が、日和見主義と糾弾されて排除されていった。その結果学生運動はどんどん痩せ細って教条的

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