複雑に入り組んだ東京の巨大ターミナル。モノレールだけの沖縄で生まれ育った男性が、世界最大級の新宿駅を歩き回って「迷宮」を再現し、スマホ専用の無料のロールプレイングゲームを作った。ところが、「次はこっちの迷宮を」「いや、こっちがすごい」と、次々とリクエストが舞い込んでいる。 「もう出られないんじゃないかって本気で思いました」。沖縄県北谷町に住むゲーム制作者、上原大介さん(30)は振り返る。 3年前。観光で上京し、食事を取ろうと初めて新宿駅に降り立った。右も左も分からない。改札を入ったはずなのに、また改札。歩けども歩けども地下通路は似たような光景が続く。1時間経っても駅の外に出られない。人気ゲームのドラゴンクエストが思い浮かんだ。「ドラクエのダンジョン、迷宮そのものだ」 JRや私鉄、地下鉄の12路線が乗り入れる新宿駅は南北に約1キロ、東西に約500メートルの広さがある。JRのホームを1階とする