ことのはじまりは、警察からかかってくる電話かもしれない。あるいは警察が職場に現れて、話をさせてくれと上司に頼むかもしれない。実際に警察が拘束に来るのは、人が寝静まった夜が多いようだ。 中国西端の新疆ウイグル自治区では、強制収容システムがひたすら拡大を続けている。そこにはウイグル人とカザフ人が拘留されており、彼ら、彼女らは手錠をかけられ、多くが頭に布をかぶせられ、何百人という単位で、高い鉄扉の奥へと連行されていく。 拘留理由としての犯罪や違反は、あごひげを生やしていたことから、禁止されているアプリをダウンロードしたことなど、実にさまざまだ。 政府は収容所を「教育・職業訓練を行うセンター」と説明。総領事館は「施設内では人権が守られている」と主張中国に関する事例の調査と分析を行なっている「ジェームズタウン・ファンデーション」が独自に調査した資料によると、推定で100万人を超える人々が、謎に包まれ