かつて、オタクという趣味生活、とりわけ90年代以降にマスボリュームが大きくなった後のアニメ趣味やゲーム趣味については「いつまでも幼児性に留まっている」「終わりなき夏休みだ」などといった話があれこれ言われていた。けれども、今になってみればとんでもない嘘だった。四十歳になっても幼児向けアニメに目を輝かしていられるのは、一部のストイックな愛好家とプロ~セミプロのクリエイターだけで、オタキングこと岡田斗司志夫さんや『動物化するポストモダン』の著者・東浩紀さんといったオタク界の統領のような諸先輩でさえ、最前線からは退いている。 オタクがオタクでなくなっていくのは絶望では無い。むしろ希望だ。いつまでも学生服的世界観や生徒会的世界観をタイムリーに感じられる感性は、希少だが異常でもある。自分自身のエイジングに合わせて感性が変わっていくこと、オタクというライフスタイルに固執せずに生きていく事は、大多数にとっ